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整形外科

肩関節脱臼といわれたら。。。
肩関節脱臼とは?

 スポーツでの転倒や、高所から転落した場合など外傷によって生じる怪我のひとつです。肩甲骨の関節窩から上腕骨頭が前下方に脱臼することがほとんどです。

肩関節脱臼の特徴は?

 肩関節は他の関節と異なり、骨による支えと覆いが少ないため、動かせる範囲が最も広い関節です。そのため、軟骨(関節唇といいます)と靭帯など柔らかい組織が防波堤となって上腕骨頭を支えています。ところが、肩を脱臼すると、関節を安定させていたこれらの組織が骨から剥がれてしまい、安定感が失われます(バンカート病変: Bankart lesion)。したがって、一度脱臼して整復・固定され治ったと思っていても、ちょっとした外傷で再び脱臼することがあるのです。しかも、初回脱臼の年齢が低ければ低いほど、再脱臼する確率は高く、10代では68%、20代で52%、30代で25%、40代以上で17%と報告されています(Itoi E, JBJS 89A, 2007より引用)。

脱臼後のMRI(青線は剥れた関節唇) 肩関節脱臼の治療は?

 治療は基本的に脱臼整復して肩を固定する保存治療です。しかし、若年で初回脱臼すると高率に再発しますし、脱臼の回数が多くなればなるほど手術成績が低下することが知られています。したがって当院では初回脱臼時にMRI を撮影し、軟骨が大きく剥れている場合には積極的に手術治療を行い、スポーツへの早期復帰を目指しています。

手術はどういうものですか?

 当院では、関節鏡を用いた小侵襲手術を行っているため、入院期間も短く3〜7日程度です。通常、肩にあけた3ヶ所の傷(1cm程度)から関節鏡を挿入し、剥れた関節唇を元の場所に修復します(バンカート修復術: Bankart repair)。これは平らなところに防波堤を作り、脱臼を防ぐものです。保存療法では前述のような割合で脱臼が再発しますが、この手術治療によって再脱臼の割合は5〜8%程度まで低下します。術後は三角巾による固定を3週行い、スポーツ復帰は非接触スポーツで4〜5ヶ月(テニス、野球など)、接触スポーツ(ラグビー、格闘技など)では6ヶ月が目安です。

写真左:青線は正常関節唇、中:関節唇は剥離している、右:脱臼時
反復性肩関節脱臼の治療は?

 基本的に鏡視下バンカート修復術で治療可能です。しかし、過去に数回から数十回も脱臼を繰り返している場合は、もともとの関節のゆるさが根底にある場合が多いため、バンカート修復術に関節包の縫縮や骨性の支持を組み合わせる手技が必要になることがあります。関節弛緩性とMRIの所見、スポーツの種類や仕事、年齢、性別などさまざまな因子を考慮しなければいけません。

写真左:剥離した関節唇に糸を通している、中:骨に打ち込む透明なアンカー、右:修復された関節唇
写真左:緑の糸は関節唇を固定した糸、中:強固に固定された関節唇、右:関節包の修復後
肩関節脱臼といわれた場合は一度ご相談ください






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